コロナ禍の注目ビジネス!グランピングの将来性と市場動向
今回はコロナ禍でも売上が順調に伸びているといわれるグランピングについて、その市場性や将来性にふれたいと思います。
グランピングの市場規模を正確に算出しているデータはありませんが、全国グランピング協会(https://glamping-association.or.jp/)によると、国内グランピング施設は約350施設、各施設のテント数に標準的な売上(1棟あたり年商600万円)をかけると、市場規模は150億円~200億円と推計しています。
一方、グランピングを謳っていないコテージやキャビン、トレーラー施設も多くあり、全国では1,000施設以上。これらの施設を潜在的なグランピング市場と捉えた場合、その市場規模は合計約650億円~約700億円にのぼると見られています。
全国グランピング協会が推計している650億円~700億円(下表は700億円を前提にしています)に、全国GDPに占める各地域ブロックの構成比率をかけると、おおよそのエリアごとの市場規模が推計されます。
※東北や北海道は降雪など気候条件的にグランピング事業に向かない場所と考えられますので、下表ほどの需要は存在しないと考えるのが妥当かもしれません。
参照元:内閣府ホームページ 平成25年度県民経済計算(平成28年6月公表)
■関東
域内総生産(百万円):202,286,706
人口:45,662,781
比率:39.77%
グランピング推計市場規模(億円):278
■近畿
域内総生産(百万円):79,444,935
人口:20,802,397
比率:15.62%
グランピング推計市場規模(億円):109
■中部
域内総生産(百万円):78,161,019
人口:18,080,588
比率:15.37%
グランピング推計市場規模(億円):108
■東北北海道
域内総生産(百万円):59,329,033
人口:16,856,528
比率:11.66%
グランピング推計市場規模(億円):82
■九州沖縄
域内総生産(百万円):47,786,927
人口:14,520,934
比率:9.39%
グランピング推計市場規模(億円):66
■中国
域内総生産(百万円):28,013,594
人口:7,469,147
比率:5.51%
グランピング推計市場規模(億円):39
■四国
域内総生産(百万円):13,623,434
人口:3,905,311
比率:2.68%
グランピング推計市場規模(億円):19
下表は、「グランドーム京都天橋立」(https://www.glamping-resort.jp/)の売上を2019年と2020年の2ヵ年で比較したものです。売上伸長率は約159%です。
2020年のグランピング市場は、コロナウィルス感染拡大により三密を避け、プライバシーの確保された旅行ニーズの増加、海外旅行の中止や東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンなどの入場制限、GOTOキャンペーンなどのプラス効果を受け、市場全体でも前年比150%~200%程度の成長があったと見込んでいます。
また「グランピング」に関する検索データ(下表参照)によると、2019年から2020年にかけて検索数は2倍以上も増えており、先の「グランドーム京都天橋立」の売上伸長率とも整合性が取れています。
グランピングの予約の90%以上はウェブから入ることを考えてみても、「検索数の伸び率≒市場成長率」と仮説を立てることは可能です。
2016年を基準とした時、コロナ前の2019年までの4年間で約2.5倍、コロナウィルスが感染拡大した2020年までの5年間で約5倍の市場拡大があったと予測されます。
今回のグランピングブームにより多くの方がグランピングを体験されました。キャンプの延長、自然の中で豪華に非日常体験をしたいグループもあれば、夏休みの家族旅行ニーズもあります。さらには4~5名の仲間や友人で楽しむ「宿泊スタイルのレジャー」としてグランピングを捉える層もあれば、海外旅行者が「特別な日本」を体験する手段としてグランピングを選択するケースも今後は増えるでしょう。
コロナ感染拡大が終息に向かい、自由に海外旅行が出来るようになれば、グランピング市場は一時的に縮小するかもしれません。反面、上記の通り、従来の旅行とは違う新たな市場は確実に形成されました。
コロナ終息と共に旅行市場は減少しつつも、新しい市場(レジャー、インバウンド、ワーケーション等)でカバーし、安定的に成長を遂げるとみています。
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