若者をはじめ、幅広い年齢層にサウナが人気です。それに伴ってサウナ施設も増えています。一般的なウェットサウナをはじめ、フィンランド式サウナやアウトドアサウナなど、さまざまなサウナを気軽に利用できるようになりました。サウナには「健康に良さそう」「美容やダイエットに効果がありそう」というイメージを持つ人も多いことでしょう。そのため「これまで行ったことがないけれど、サウナを利用してみたい」という方も多いかもしれません。しかし、サウナは正しく利用しないと、体調不良を招くなどのデメリットがあります。今回の記事では、サウナの持つメリットや効果とともに注意すべきデメリットと対策方法、さらには「整う」ためのサウナ利用法について解説します。
目次
「サウナは健康や美容に良い」といった意見がある一方、サウナが原因で具合が悪くなってしまったという話を聞くこともありますよね。
結論からいえば、サウナは体に良い影響を与える、メリットが多いものです。サウナ中に意識を失う、具合が悪くなるといった症状が出る場合、サウナの入り方に問題がある可能性が高いといえます。サウナからさまざまなメリットを得るには、正しいサウナの入り方を身に付ける必要があるのです。
サウナは高い温度(80~90度)で熱気浴をすることで体が温まり、さまざまな効果を得られます。サウナを利用することで得られる11のメリットを順に解説します。
サウナによるメリットの1つが、血流促進効果です。安静時の2倍近くまでになるともいわれており、血液で運ぶ酸素量の増加や筋肉疲労物質の分泌といった効果があります。体内のエネルギーを再生産するため、疲労回復効果を期待できます。
体だけでなく心の疲労回復効果もうれしいポイントです。サウナに入って体が温まると、筋肉の緊張が解けて血管が緩みます。その結果、動悸が解消されて不安感やストレスの解消にもつながるのです。
サウナに入って高温の空気が全身の皮膚を刺激すると、中枢神経が活性化します。神経による身体機能の調整も促され、ストレスの解消につながるといわれています。
サウナに入った直後は一時的に血圧が上がりますが、その後は血管の拡張効果によって最高血圧・最低血圧がいずれも低下します。サウナの定期的な利用は高血圧を予防する効果があるとの海外の論文(※)もあります。但し、サウナは心臓や血管に少なからず負担をかけるものでもあるため、すでに高血圧の持病を持つ人がサウナを利用する場合は、かかりつけの医師に相談してからにしましょう。
※Sauna Bathing and Incident Hypertension: A Prospective Cohort Study | American Journal of Hypertension | Oxford Academic (oup.com)
特に低温のサウナでは、安眠効果が期待できます。サウナへゆっくり入ることで「鎮静作用」が働きます。昼の活動的なリズムから夜の休息リズムに体が切り替わり、睡眠の質が向上するのです。安眠効果を得るには、サウナ室の下段に座るのがよいでしょう。温められた空気は上昇する性質があるため、下段の方がより低温になるからです。
サウナによって血行が促進されると、筋肉に対して次の作用があります。
上記の作用により、筋肉由来の肩こりや筋肉痛、さらには腰痛などの神経感覚的症状の改善効果が期待できるといわれています。
サウナに入ると大量の汗をかくため、入浴後に体重を計ると1キロほど減っていることもあります。ただし、サウナによる減量効果は一時的なもの。重要なのは、体温を高めることによる新陳代謝の向上と、脂肪燃焼を妨げる乳酸の排出効果です。運動や食事の見直しとサウナを組み合わせることで、ダイエット効果を得られるでしょう。
サウナ、水風呂、外気浴という一連の温度変化によって、自律神経の調節力が高まり、毛細血管の中の血の巡りが良くなります。
サウナに入ると脈拍が少しずつ増えます。脈拍が増えるのは、心臓の血液拍出量が増加するのが理由です。心臓から出る血液が増えることで、全身に酸素や栄養が効率良く供給されるようになります。
サウナで汗を流す、水風呂やシャワーで体をクールダウンする。さらに外気浴で休憩していると得られる体験はよく「整う」と表現され、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の二つからなりますが、熱いサウナや冷たい水風呂では交感神経が優位(興奮した状態)になり、外気浴では副交感神経が優位(リラックスした状態)になります。この二つが共存する状態が「整う」です。
「整う」ためのサウナと水風呂を併用する入浴法は「交代浴」と呼ばれ、交感神経と副交感神経の両方に働きかけ、自律神経を鍛える訓練になります。
人間は体温が約38度になると、全身の汗腺から汗が出るといわれています。サウナで汗をかくことで、毛穴やアポクリン腺にたまった皮脂汚れなども一緒に出して、皮膚や皮下組織を清潔にできます。
サウナに入って体温が38度を越えると、HSP(ヒート・ショック・プロテイン)というタンパク質が生成されます。HSPとは、損傷を受けたタンパク質を元に戻す働きを持つ、人間の自然治癒力に深く関係する物質です。
人間の体にある細胞は、ほとんどがタンパク質からできています。細胞内のタンパク質が損傷を受けると同時に、HSPも生成されます。高熱・疲労・暑さや寒さ。さらには紫外線など、さまざまなストレスによって細胞が受ける損傷の修復を、HSPが担っているのです。サウナに入ることでHSPを増やせれば、自然治癒力を高めることにつながるでしょう。
※出典:公益社団法人日本サウナ・スパ協会「サウナならではの身体効果」(参照2023-9-10)
サウナにはメリットがあるものの、デメリットもあります。
特に覚えておきたいのが、サウナは体に負担がかかることです。サウナを利用すると、軽めの運動程度の負荷が体にかかります。サウナを利用する頻度や時間が増えれば、当然負荷は大きくなるでしょう。利用しすぎると、日常生活や仕事に支障が出てしまうほどの負担になる可能性もあります。
また、長時間のサウナ利用により、脱水症状や熱中症になってしまうこともあるでしょう。急激な温度変化によって血圧が乱高下し、心臓や血管の疾患を引き起こすことを「ヒートショック」といいますが、サウナでもこうした現象を引き起こすこともあります。持病のある人、普段から血圧が高い人はかかりつけ医に相談の上、利用されることをおすすめします。
近年のサウナブームの影響を受けて、サウナでととのう体験をしたり、サ飯を楽しんだりといった「サ活」が人気となっています。カップルや夫婦のデートとしてサ活を楽しみたいといった方も多いのではないでしょうか。サ活はカップルや夫婦でも楽しめますが、サウナ室へ男女一緒に入ることは基本的にできません。一緒にサウナ室に入らないことでサウナから水風呂、外気浴のタイムラグができることが多く、一緒にサ活を楽しめないといったデメリットがあります。
サウナのデメリットを払拭するために、知っておきたい対策方法を解説します。
サウナは自分の体調に合わせて、無理のない程度で利用しましょう。疲れが極限までたまっている、または寝不足や飲酒後にはサウナの利用を控えるべきです。
サウナ中に頭痛・立ちくらみ・目まいなど、普段と違う症状が出た場合は、ただちにサウナの利用を中止して涼しい場所でゆっくり休みましょう。それでも症状が治まらない場合、周りの人に助けを求めます。
サウナで汗をかくと、体から水分と同時に塩分も排出されます。サウナ前後にはミネラルウォーターや塩分などの電解質を含む飲みものを300~500ミリリットルを目安に飲みましょう。サウナ前は喉が渇いていなくても水分補給をするのが重要です。
サウナ後にお酒を飲みたいという人も多いですよね。しかし、サウナ前や直後にお酒、またはコーヒーなどのカフェインが入ったものを飲むのは厳禁です。こうした飲みものは利尿作用があり、体から水分を排出しやすく してしまいます。お酒を楽しみたい場合は、しっかりと水分補給と休息をとった後にしましょう。
サウナには他のお客様がいないプライベート空間で楽しめるサウナもあります。カップルや夫婦でサウナを楽しみたいときには、プライベート空間でサウナを利用できる施設やサービス利用しましょう。たとえばグランピング施設には貸切サウナや客室専用サウナなどプライベートな空間で利用できるサウナを設けているところもあります。さらに客室専用サウナなら、滞在中好きなタイミングでサウナを楽しめるのも魅力です。
サウナを美容や健康の面から効果的に利用 するには、正しい入り方を知っておくのが重要です。
初心者が知っておきたいサウナの正しい入り方や基本的なマナーについては、こちらでくわしく解説しています。
▼サウナの美肌効果とは?美容サ活のためのサウナの入り方
https://www.resort-glamping.com/article/article_085/
▼サウナに入るベストな時間は?24時間営業のサウナやカプセルホテルの有効活用法
https://www.resort-glamping.com/article/article_074/
▼女性向けサウナの正しい入り方とは。知っておきたいマナーと心得
https://www.resort-glamping.com/article/article_061/
▼サウナ上級者も必見の整う入り方とは?
https://www.resort-glamping.com/article/article_053/
サウナを思う存分楽しむなら、グランピング施設がおすすめです。客室内に専用のサウナを完備しているグランピング施設もあり、滞在中に好きなタイミングで何度もサウナへ入れます。サウナ三昧の時間を過ごしたいときにぴったりでしょう。
グランピング施設で設置しているサウナの種類は、テント式のアウトドアサウナやフィンランド式のバレルサウナが一般的です。普段使いの施設で多いウェットサウナやドライサウナとは異なるサウナを利用したいときにもおすすめできます。
グランピング施設は、サウナ後のクールダウンも特別な体験ができることが多く人気です。水風呂が設置されているところはもちろん、プールやジャグジー、さらに川に飛び込めるところもあります。その後の外気浴は潮風に当たりながら、あるいは波音や川のせせらぎを聞きながら。さらには海や山の絶景を見ながらなど、普段のサウナでは味わえない体験ができるはずです。グランピング施設のサウナでは大自然と一体化するような、極上の「整う」体験を実現できるでしょう。
サウナのメリットや効果とともにデメリットと対策方法を解説しました。サウナは体へ良い影響をもたらしてくれるほか、ダイエットや美肌など女性にうれしい効果も得られます。そのためには正しい方法でサウナを利用すること、そして無理をしないことが重要です。サウナの利用で発生する時間や費用などのデメリットも考慮しつつ、楽しくリフレッシュできる「サ活」につなげてくださいね。
※本コラムは、2023年9月1日現在の情報に基づいて作成されたものです。各施設・各都道府県キャンペーンの最新情報は、公式サイトをご確認ください。
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